雨のリフレイン
「あなたにお話があります。
少し、お時間よろしいかしら?」

柊子に断わらせまいとする高圧的な鈴枝の態度。

「…今日はあまり、体調が優れないので…」
「それほど時間は取らせませんわ。あなたには、大切なお話よ」
「家では、母も待っておりますので」
「あら、お母様にも聞いていただきたいわ。自分の娘がこのままでは犯罪者になってしまうもの」

犯罪者。思いもかけない言葉が飛び出してきた。

「私が?犯罪者?」
「ここで話してもいいけど、色々な方が出入りするから、聞かれたくないでしょう?」

ひどく挑戦的な鈴枝に、柊子は怯えすら感じた。

ーーこの人と、一人で会ってはいけない。

心が警鐘を鳴らす。


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