雨のリフレイン
怒涛の一週間だった。

柊子は、バックから携帯電話を二台取り出した。

一台は今まで使っていたもので充電が切れている。充電器に繋いで画面を見れば、画面に大量の着信とメールの知らせ。鈴枝の仕業だ。どうやって柊子の電話番号を入手したかはわからないけれど、えげつないほどしつこい。

もう一台は、弁護士から貸与されたもの。今はこれで連絡を取りあっている。



充電器に繋いだばかりの柊子の携帯が、いきなり鳴った。
びっくりして柊子は充電器から携帯を引き抜こうとしてハッとなる。


画面に表示された名前は、『水上洸平』だった。


本物?洸平さん、だよね?
第一声が洸平じゃなかったら、速攻で切ってしまうつもりで、恐る恐る通話ボタンを押した。

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