雨のリフレイン

嘘だと言って

「トラックとバスの事故。
トラックの運転手１名と、バスの運転手と乗客が８名の計９名。
うん。状況は？…そう。オッケー全員受け入れます」

入電の後、救急外来部長の指示で看護師や事務員が一斉に動き出す。


「人手が足りないな。ほとんど軽傷らしいんだけど、念のため、休憩中の奴らにも声かけて」


部長の指示で準備していると、救急車のサイレンの音が近づいてきた。


「あれ？ルートとってある」
「偶然バスの乗客に看護師の方がいらしたんです」
「そーなの？ラッキーだったね。
よし、すぐに運んで」



次々と運ばれてくる患者。
自分で歩ける患者は、看護師が書いてくれたというメモを見せてくれる。

「変わったメモ用紙だね？」
「先生、これ…たぶん、母子手帳ですよ」

子供がいるベテラン看護師が、そのメモを見て驚愕している。

「エッ！妊婦がいるってこと？もしかして現場にいた看護師が、妊婦なのかな？じゃあ、産婦人科にも連絡しないと」


部長が、テキパキと指示したときだった。


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