雨のリフレイン
「柊子、好きだよ。
あの雨の日、隠れて泣いていた高校生の君を見た時から、俺の胸にいたのはずっと君だけだ。
学生だった君にはまだ早いってわかってたから、カッコつけて色々理由つけて結婚したけど、本当は、ただ大好きな君を守りたかった」

ずっと欲しかった洸平の言葉は、思っていたより自然に柊子の心にストンと落ちた。
気づかなかったけれど、とっくに心は気づいていたのかもしれない。洸平が柊子を大切に想っていたことを。

「…言ってましたよね。普通の結婚生活は、望まない。子供も要らないって。それも、カッコつけ？
私、その言葉を信じてたんですよ。だから、妊娠したってわかった時、どうしようって。不安でたまらなかった。お母さんが応援してくれなかったら、洸平さんには言わずに、なかったことにしていたかもしれない」

「そうだよな、そんな事言って、俺を信じろなんて、俺は馬鹿だな。そう言ってやれば学生だった柊子が安心するかと思ってたんだよ。
好きだとただ言えばよかったのか、素直に。そうしたら全てうまくいったのか？
…やっぱり俺はダメだな、親にすら愛されないような男だ。君に愛される資格なんてない。愛し方も下手すぎる」


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