雨のリフレイン
「ただいまー。お母さん、大丈夫?」

元気いっぱいの柊子の声がマンションに響く。
母は、リビングのソファーにもたれていた。


「あぁ、柊子おかえりなさい。
あら、水上先生も一緒?先生、久しぶりの大学病院で疲れてるでしょうに、柊子に付き合わせてごめんなさいね」


母のセリフにびっくりしたのは柊子だ。


「お母さん、水上先生が大学病院にバイトに来ること、知ってたの!?」
「柊子、知らなかったの?
水上先生がとっくに柊子に話してあると思ってたわ。
じゃ、もしかして、四月からはこっちの勤務になることも知らないの?」
「え…えーっ!
知らないよ?本当に?
じゃ、実習の時とかに水上先生見れるんだ、やったー!」

驚きの連続。


「信子さん、調子悪そうですね。
無理せず横になって下さい。診察しますか?」
「ありがとう。大丈夫よ。
それより、お腹空いたわ。ご飯にしましょう。
先生も食べて行って。寒いから肉じゃが作っておいたから」
「信子さんの肉じゃがですか。うれしいなぁ。喜んでご相伴に預かります」

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