雨のリフレイン
「そうやって、2人が並んで私のご飯を食べてくれると、うれしいわ。
水上先生、いっそ、一緒に暮らしましょうか」
「お、お母さん、何言い出すの!」


柊子は、母の提案にびっくりして、顔を真っ赤にする。


「あら、柊子、アンタ変なこと想像してるんじゃないでしょうね?
ただの同居よ。そうしたら、食事や掃除洗濯のお世話ももっと楽になるし。
もちろん、水上先生が柊子をもらってくれて、家族になってくれるなら大歓迎だけど、アンタと水上先生じゃまだまだ釣り合い取れないからねぇ」
「おかーさん!もう、やめて。急に何を言い出すかと思えば…」

「ありがとうございます、信子さん。
有り難いお申し出ですが。
やっぱり、一応は年頃の娘さんがいるところに転がり込むのは、やはり…」

水上はいつもと変わる様子もなくあっさりと断った。

「あら、柊子、よかったじゃない。
アンタも一応は年頃の女の子扱いよ。
まぁ、そうよね。
水上先生なら、引く手あまたでしょうし、カノジョでも出来たら私たちなんてトラブルの元にしかならないわね。
ごめんなさい、忘れて」

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