雨のリフレイン
その時、目の前の扉が開いた。

「柊子ちゃん、信子さんはしばらく入院だよ。
説明するから、こっち、来て。
信子さんには、看護師が付き添っているから大丈夫」

診察室の翔太に呼ばれて、柊子は我に返る。
看護師は皆、母に付き添っているようで、部屋には翔太しかいない。

そこへ柊子は水上に付き添われて入った。



翔太が示した検査のデータを水上はサッと見て眉をひそめた。
それだけで、今の状況が悪いものだとわかる。

「思ってた以上に悪いな。信子さん、ずいぶんと無理してたんだなぁ」
「そうなんだよ。今まで仕事をしていたなんて信じられないくらいだ。
柊子ちゃん、しばらく信子さんは治療に専念だよ」
「わかりました。
翔太先生、ありがとうございます」
「柊子ちゃん？大丈夫？顔が真っ青だ。
君まで倒れたら大変だぞ」

翔太が柊子の顔をよく見ようと、手を伸ばす。

「大丈夫だ」

だが、その手は水上によって阻まれた。

「なんだよ、洸平」

手を払われた翔太は水上に抗議しようとする。
だが、次に水上が発した言葉で、抗議などどこかに行ってしまった。


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