雨のリフレイン
「なんだよ、お前ら。
医者がオレらみたいな看護学生なんか相手にするわけねーじゃん。
もっと現実的なところで、オレとかどうよ?」
「えー、圭太?アンタは、パス」
「愛美じゃねーよ。
八坂。
オレと付き合わない?一緒に頑張って看護師になろーぜ」

酔った勢いで告白する圭太に、柊子も笑いながら断った。

「えー。ごめん。私もパス。
相手にしてもらえないことなんてわかってるよ。
いつか、先生の隣で仕事が出来ることが夢なの。
一人前の看護師として認めてもらえたら、それで充分」
「柊子らしいというか…欲がないね。
どうせなら、彼女にしてもらおうとか、付き合いたいとかまで考えないの?」
「…あ、そっか。そうだね、あはは」

笑ってごまかす柊子。

だって。
彼女になんてなれない。お付き合いも全部吹っ飛ばして、結婚してしまった。
普通ではない、期限付きの結婚だけれど。


「水上先生かぁ。
八坂は、あーいうクールな感じの人がタイプなんだ。
オレじゃ、ダメかぁ。悔しいな。
オレは、八坂みたいな元気な頑張り屋で、可愛い子は大好きなのにー」

圭太はだいぶ酔って柊子に絡む。

「はいはい、ありがとねー。
圭太くんがだいぶ出来上がってきたから、そろそろお開きにしよっか。
明日も授業だし」
「そうだね。さ、圭太、帰ろ。ほら、柊子から離れなさい」


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