雨のリフレイン

そっとして

「信子さん、久しぶり！
顔色良し。いいね」


その日の夜。
水上と翔太が連れ立ってマンションにやってきた。

「翔太先生は、少しやつれたわね。
どうぞ、座って。
やっぱり、救急病院はキツイでしょ」

母は笑顔で二人を迎え入れた。
柊子は準備していた軽食と酒を用意する。

「キツイなんてもんじゃないですよー。
洸平、マジでよくあんなとこによく三年も居たな。そりゃあ鍛えられるわ。
オレは無理。今すぐでも辞めたい。キツすぎ。
飯どころか、トイレにも行けないし」

ガックリと肩を落とした翔太は、確かに痩せた気がする。
そんな翔太に、柊子が優しく声をかけた。

「翔太先生がそんな弱音吐くなんて。
よっぽど大変なんですね」

すると、翔太はガバッと柊子を抱きしめた。

「柊子ちゃーん。相変わらず可愛いなぁ。
久しぶりに見たら、元気出てくる。
もうさ、救急病院の看護師と言ったら、仕事めちゃくちゃ出来るベテラン揃いでさ。
怖いのなんのって」