そばにはいれないから。




「あなたのお父さんはね、咲良が1歳の時に病気になったの。昔の病気が再発したの。

それで、お父さんに離婚しようって言われた。治療費もかかるし、もう一緒にはいられないって。」

初めて聞いたお父さんのそんな話。 

病気で亡くなったとは聞いてたけど。


「その時言われたの。君と咲良には幸せでいてほしい。僕なんか忘れた方が幸せになれるって。

でも、その時にお母さん思ったの。


勝手に私の幸せを決めないでって…私の幸せは例え生活が苦しくたって、例え別れの時が来たって、咲良と、お父さんと一緒いられる事が幸せだった。」


そう話しながら、ボロボロと涙を流すお母さん。


「お父さんがいなくなった時、もちろんすごく辛かった、でも、幸せな思い出があるからここまでこれた。」


だけど、すごく幸せそうだった。

すごく幸せそうに話をしてた。



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