そばにはいれないから。



「咲良のことなんか、一生忘れねえ、忘れたくても忘れらんねえし、忘れねえよ。」


「……忘れてよ。忘れて立派な先生になって。」


誠也の夢は学校の先生。

学校の先生になって、剣道部を全国に連れてくんだって。


「あたしにはもう、幸せを願うことしか出来ないの、あたしなんかといて幸せな未来なんかないじゃん!」

ただ涙が溢れて、勝手に想いが溢れてた。


これが素直になるってことなのかな。



「じゃあ、お前、俺と別れたのって。」


「誠也には幸せになってほしかったから。誠也より好きな人なんて…いるわけないじゃん。

会いたかった、、そばにいてほしかった…………でも、あたしじゃっ…」


「俺の幸せ、勝手に決めんなよ。」


あたしの声を遮って、誠也が叫んだ。

お母さんと同じだね。




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