そばにはいれないから。



「っじゃあっ!」

「っダメ!だめぇなのおっっ。」


もう涙で誠也の姿さえなかなか見えない。


素直な気持ちと、それはダメだってあたしを抑える気持ちが入り混じってる。



「…………咲良。」


ベッドの奥、ドアとベットの間くらいにいた誠也はゆっくりと近づいてきてベットの横に膝をついて座って、


「お前がいないと俺の人生つまんねえんだよ。」


そう言って、あたしをそっと引き寄せた。




「っ、はなしてっ、はなしてっ。」


必死に離れようとしても、点滴ついてるし、全然離れられない。



「…………もう離さねえよ、絶対に。」


「っ、うっ、っ、せいやっ。」


あたしは、いいの?

誠也といても、いいの?



ねえ、神様

あたしの選択は、誠也を不幸にしませんか?





どうしたら、いいですか?


どれが、正解ですか?



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