そばにはいれないから。
第三章
幸せとは
「やっほっ。」
次の日も、その次の日も、毎日誠也は欠かさずあたしの病室へと来てくれた。
「おはよ。」
誠也が来てくれる
すごく嬉しい。
これでいいのか、分からない。
だけど、すごく幸せ。
治療が辛くてしんどくても、誠也の顔を見ると少し楽になる。
「なあ、今日さ、どうしても会わせたい人連れてきた。」
「えっ?」
そう横から出てきたのは、結依だった。
「言っても反対されると思ったから、ごめん。勝手に連れてきて。」
と誠也はあたしに謝る。
みんなに会いに行こうとか全国大会観に行こうとかいっぱい言われたけど全部断ったから。
どんな顔したらいいか分かんないから嫌だったのに、どうしたらいいの。