そばにはいれないから。
「友達は、外で待っててもらえるかな。」
伊藤さんの声で動き出す結依と誠也。
心配そうな顔で隣から離れようとする誠也の手をパッと掴んで言った。
「っ………だい、じょ、ぶ…だから。」
あたしの顔を見て、頷いた誠也は
「うん。外で待ってるから。」
と強く手を握り返して、病室の外へ出て行った。
「…………せい…………や………。」
誠也が外へ出て行ってすぐ、さっきまで震えてなかった方の手まで震えだし
「っはぁっ、はあっ、っ、はあっ。」
汗だくで、息がしずらくて、目が開かなくて
すーっと、意識を手放した。