そばにはいれないから。
『誠也side』
病室を出て、近くの休憩所みたいなところの椅子に座った。
手が少し、震えてる。
さっきの咲良の様子を見て、怖くなった。
怖くて怖くて仕方なくなった。
だけど、隣でもっと震えてるやつがいる。
「ごめん………なんかっ。」
きっと今、同じ気持ちだから、すごく分かる。
やっぱり、どこかしら似てる結依と咲良。
怖くて不安で仕方ないのに、強がろうとする。
「わかんないや…………っ。」
一言では表せない、この気持ち。
どう伝えればいいのかわからないんだ。
震える手を抑えながら、俺たちは病室の外で待った。