そばにはいれないから。



残したい言葉なんて考えると、全然思い浮かんでこなかったから

感謝への気持ちを書くことにした。


一気に書くと、脱水になりそうだったから、1枚ずつ少しずつ書き進めていく事にした。


涙を拭いながら一文字ずつ一生懸命書いてたら、お母さんとお父さんと冬馬に宛てた手紙だけで約1週間くらいかかってしまった。


昨日は誠也に宛てた手紙を書き始めたんだけど、予想以上に涙が邪魔してまだ3行。


「ついに明日だね、咲良ちゃん。」

「うん。先生許してくれるかな。」


もう、全国大会は明日。

まだ行けるかもわかんないのに、楽しみで仕方がない。


「明日のために今日は特別大人しくしてようね」

「はーい。」


明日の朝には、誠也が迎えにきてくれて、お父さんの車で一緒に会場に行く。

楽しみがあるから、今日の治療も乗り越えられる。




< 131 / 169 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop