そばにはいれないから。



その日の夜、誠也の手紙の続きを少し書いた。


今まででいちばん落ち着いて書けた。

長く書いてたら、疲れちゃうから、そんなには書けないけど

この数行に想いを乗せて書いた。



あともうちょっとで書き終わるってとこで、伊藤さんと先生が夜の回診にやってきて

仕方なく片付けた。


もうちょっとで書き終わったのに。



「よーし、じゃあ診るね〜。」

あ、そうだった。

この診察で明日の外出が決まるんだった。



そう思ったら、なんか緊張してきた。



「ん、まあいいかな、明日の外出。」

顔を上げた先生が、あたしに向かってそういう。



「え、本当!?やった!ありがとう先生!」


え、やったやった!


すっごい、嬉しい。




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