そばにはいれないから。



「ねえ、乗せて。」

お父さんが病院の前まで回してくれてた車の前まで来た時

お父さんもお母さんも見てる前で恥ずかしいだろうなって思いながらも誠也にそう言ってみた。


「え、あ、うん。」

案の定恥ずかしがりながらも、そっと手を入れてあたしの体を持ち上げてくれた。


お姫様抱っこ、、、

なんかあたしの方が恥ずかしいかも。


たまにお父さんにやってもらう時とは全然気持ちが違うや。


「ありがとう。」

「いいえ。」

誠也は恥ずかしいのかあたしと目も合わさずに、車椅子を畳んであたしの隣に座った。


「久しぶりに剣道見れるなー、嬉しい。」

しかも、自分のいたチームの試合。


「あんまはしゃぎ過ぎるなよ。」

「分かってる!」

試合見てたら昔から、人の試合でも自分の試合みたいに気合が入ってしまうのは昔からの悪いくせ。


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