そばにはいれないから。



剣道は、あたしの青春だった。


それを瞬間に思い出させるような

そんな香り。


「お、ほらいたぞ。」

誠也の声で、あたしもみんなを見つけて

みんなもあたしを見つけたみたいだった。



「咲良っ!」

1番にあたしの元に来てくれたのは愛だった。


「めっちゃ可愛いじゃん!びっくりした!」

「いや、俺も一瞬わかんなかったわ。」

と愛の次に渚くんも近くに来てくれた。


「ありがと。」


「ほら、先輩来たんだから挨拶してよ。」

結依の言葉でみんなあたしの方を向いてお辞儀をする。

あたしも合わせてお辞儀をする。



「じゃあ女子行くよ、準備して。」

「「「はいっ。」」」


もうすぐ試合の時間。


あたしまで緊張しちゃう。



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