そばにはいれないから。
「咲良先輩。」
防具を持って、会場へ降りる前にあたしの前に来たのは、1年生の彩ちゃん。
実は結構可愛がってた後輩で、なんとあたしに憧れてくれてたらしい。
「あたし、咲良先輩がいなくなった後の、先鋒になりました。」
結構気の強い彩ちゃんがなんか泣きそうな顔してる。
「おめでとう。」
「あたし、咲良先輩みたいに強くないから、チームに流れなんて持ってこれるか分からないけど、あたしなりに全力でやるのでっ、見ててください。」
すごい、強い目をしてる。
「分かった、見てるね。」
これなら大丈夫。
そう思わせてくれる顔で、もっと強くなっていくんだろうなってあたしの心の中は期待で満ち溢れた。