そばにはいれないから。



「すっげ。」

隣にいた誠也もそう声を漏らすほど、今日の結依は凄かった。


4校リーグの1位しか決勝トーナメントに行けないという過酷な道。

惜しくもリーグ戦2位という結果に終わったが、本当にすごかった。


とにかく、負けないという気持ちがみんなにあって

今日の結依はあたしが見てきた中でも気持ちが前に出てて、本当に強かった。


「咲良!」

帰ってきたみんなを出迎えて握手やハグやら交わした。


そして、最後に少し遅れてきた結依はあたしを見ると笑顔を浮かべ

「あたし超強くなかった?」

とあたしに尋ねた。


「超強かったよ、本当に。」

「でしょ。」

そう笑顔で言った結依はあたしの顔を見て、だんだん顔を曇らせていった。



「あ、もっ、泣きたくなかったのに。」

ポロポロと溢れ出す涙。


きっとこの3年間の思いが溢れ出してる。



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