そばにはいれないから。



「ねえ、ここでおろして。」

みんなと別れてあたしは病院に帰る。


長い時間の外出も

人が多いところも

疲れちゃうからあんまり良くないって。


まあでも十分。


でもちょっとだけ、もう少し外の空気を吸いたくなって、病院の近くの河原で下ろしてもらった。



「ねえ、あたしのこと好き?」

「なんだよ、急に。」


「いいでしょ。」

あたしがそういうと誠也は一息ついて


「好きだよ………すげえ好き。」

と言ってくれた。


好きな人に好きって言ってもらうのって

こんなに幸せなことなんだね。



「っ、はぁっ…………っ。」


もう誰かの前で泣かないって決めたのに。



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