そばにはいれないから。



だから、今日が最後。

誠也の隣にいれるのは。


今日でおしまい。


「お前ちっせえから打ちにくいんだよ。」

今日は誠也と練習ができた。


やっぱり明日だよ、っていう神様のお告げなのかな。


「ちっさいのも武器なんです!」

いつもみたいに言い合いをして、2人で笑い合う。


これも今日で最後。


"もう今日で全部おしまい"



「渚ー、俺の竹刀取ってー。」


渚くんは、剣道部で同い年、誠也と仲良し。

無口でクールな感じなんだけど、誠也と話してる時は笑顔も見られて、いつも新鮮。


「なんでだよ、今なおしたのに。」


「なんでって、こいつの胴で練習すんのっ」

と誠也は竹刀をもらってすぐに、竹刀を振り落としてあたしの胴を叩いた。


「ねえ!危ないー!」

咄嗟に腕をあげたけど、あげなかったら腕の上から叩かれるところだった。


「お前があげなかったら、途中で止めるの。」


そんな事しようと思ってる振りの速さじゃなかったけどな。


怖い怖い。




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