そばにはいれないから。



家に帰っても泣いてたら、心配かけちゃうから家の前からは笑顔。

顔をパンパンと軽く叩いて、深呼吸。


「ただいま〜!!!」


家の中は、ビーフシチューのいい匂い。


「え、何?ビーフシチュー?」


「そうよ。咲良の大好きなもの作ったわ。」


机の上にはあたしの好きなものだらけ。



病気になって、変わらない幸せを知った。


変わってほしくないそう思ってたけど、やっぱりいつも通りっていうのは難しくて。

お母さんは、過保護になった。


でも、あたしも変わった。


変わらないって、すごく難しい。






夜、誠也にメールした。


朝、河原で会いたいって。


返信を見るのが怖かったから、メールして、携帯の電源を落とした。



< 18 / 169 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop