そばにはいれないから。



急いで遠くまで離れる。



「っんっ、…………っ。」

…………あたしが振ったんだ。


だから、泣くのはおかしい。

だけど、どうしてもあの誠也の顔が頭から離れない。


あんな顔初めて見た。


あんな辛そうで苦しそうで

いつもたくましい誠也が幼く弱く見えた。



「んーーーーっ、ズズズッ。」


誠也が好き。

いつまでも大好き。



口が悪くても、意地悪ばっかりしてきても


誠也が好き。



だから、どうか幸せになって。


ずっとずっと笑顔で


誠也を大切にしてくれる奥さんと

可愛い子どもに囲まれて


幸せな日々を過ごしてください。



誠也の幸せを願うことくらいしか


あたしにはできないから。



いつまでも、誠也の幸せを祈ってます。




こんなあたしを好きになってくれて

ずっと一緒にいてくれてありがとう。




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