そばにはいれないから。
ずっと部屋にいたって意味がないことくらい分かってる。
こうやってる間にも病気が進んでる。
あたしの人生のタイムリミットは刻々と近づいている。
部屋から出よう、何度もそう思った。
ご飯を食べよう、何度も思った。
けど、体が動かない。
ベッドの上で丸まっていると、部屋の窓にコンッと石が当たる音がした。
なにっ…………?
ゆっくりと立ち上がって、窓の外を見ると、大好きな人の姿が見えた。
……………………誠也。