そばにはいれないから。
ゆっくりと誠也の手があたしのおでこにいく。
「っあっつ。びっくりするわ。」
「えっ。」
あ、あたし、熱あるのか。
「もうちょっと自分のこと大切にしろよな。お前のダメなとこ。」
「うるさい。」
誠也の手が冷たくて、気持ちよかった。
「家まで一緒に帰ってやるから、立てるか?」
「いい、自分で帰れる。」
そう言って立ち上がると、フラフラしたけどなんとか歩いて改札に向かった。
誠也に甘えるわけにはいかない。
「おい、咲良。」
だけど、誠也は一緒に改札を通って、あたしを送ろうとしてくれる。