そばにはいれないから。



「もしもし?」


『あ、出た。大丈夫か?』


「うん、大丈夫。」


いつも通り、いつも通り。

誠也の声を聞いたら、胸がギュッって、苦しくなったから、やばいと思ったのに、



『そっか。なあ今お前の家の近くに来てるんだけどさ、ちょっと会えねえ?』

会ったら、あたしどうなるの?



「あたし、パジャマだよ。」


『今更そんなん気にしねえよ。』


おっしゃる通り。


会ったらやばい。

そう思ったのに、会いたいという想いは止められなくて、あたしは急いで上着をきて、ドアを開けた。


「わ、いた。」


「よっ。久しぶり。」


「久しぶり。」


3日間も全く誠也に会わなかったなんて出会ってから初めてかもしれない。



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