そばにはいれないから。




「お母さん、ちょっと外行ってくる。」

風に当たりたかった。


「すぐに帰ってくるのよ。」

そう言うお母さんの顔はすごく不安そうで、見てて辛かった。


「うん。」

冬馬のお世話だけでも大変なのに、あたしがいたら余計に大変だよね。

17歳まで育てたのに、3歳よりも心配で大変だなんて、いやだよね。


どうしても、思考がマイナスになる。


悪い方へ悪い方へ考えてしまう。



あたしなんか、いなくたって

誰も悲しまない。



部活だって、あたしなんかいたって

いなくたって


きっと変わらない。



きっと世界はいつも通り回り続ける。




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