そばにはいれないから。



「咲良〜!!咲良〜!!」

ボーッと公園のベンチに座ってたら、お母さんの声が聞こえた。


公園であたしを見つけたお母さんはあたしの方へ駆け寄ってくる。

その後ろにはあの人と、抱っこされた冬馬もいる。


「なかなか帰ってこないから心配した。」

なんか一瞬の事だと思ってたのが、結構時間が経ってたみたい。


「お家かえろ?」

お母さんの手が暖かくて、苦しくなった。



「ねえ?お母さん………あたし、生きててもいいの?」


「えっ?当たり前でしょ、何言ってるの。」


「だって…………あたし、もう迷惑しかかけないし………っ。

あたしなんていない方がお母さん楽でしょ?冬馬だけで十分でしょ?」


お母さんの顔が曇ってるのも

お母さんがこんな事思ってないのも知ってる。



けど、もう溢れて止まらない。





< 59 / 169 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop