そばにはいれないから。




「よし、帰ってご飯食べよう。」


「…………うん。」


さっきまでちっともお腹なんか空いてなかったのに、今はもうペコペコ。

早くお母さんのご飯が食べたい。


「ねね!!いたい?」


みんなで家に戻ろうとすると、お母さんに抱っこされてた冬馬があたしの方を見て言った。


「あ、ごめん、つい。」

そして、お父さんが、急いであたしに謝る。



「ううん…………お父さんの、愛伝わった。

だから、大丈夫!ねね全然痛くないよ!」



あたしがそういうと、冬馬はにっこり笑った。



この世界は残酷だ。

生きたいと思っても生きられない人もいる。



けど、あたしには、心配してくれる人がいる。



それだけで、幸せだ。




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