そばにはいれないから。



ある日、顧問に呼ばれて、会議室に入る。


「体調はどうだ?」

「何とか、、大丈夫です。」

あたしはゆっくり顧問の前の椅子に腰をかける。


こんな風に2人で話すのは初めて。

病気がわかったときはお母さんも一緒だった。


「咲良が今の剣道部にどれだけ大切で、今まで1年の時から、どれだけ貢献してくれてるかは、よく分かってる。今のチームにお前が必要だ。」

「…………はい。」


何を言われるか大体見当はついた。


「病気の事も俺なりに理解はしてる。けど、使えないやつは、外すからな。」

「はいっ。」

弱いやつは外す、強いやつが入る。


当然のことだ。


「俺は病気だからって贔屓はしない。お前が決めたなら、わざと外したりもしない。」


「はい、分かってます。」


2年半も一緒にしてたら、色んなことが分かる。


気合入れ直そう。




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