そばにはいれないから。



「咲良!!」

次は後ろから結依の声が聞こえて振り返る。


「優勝したね。」

結依の顔は涙でびちょびちょ。

多分あたしも人のこと言えないんだと思うけど。


「ん。優勝、した。」


「全国だね。」


「うん。」

結依がまた目を涙でいっぱいにして、大きな目から大粒の涙を溢すから近づいてそっと抱きしめた。


「結依………3年間、ありがと。」

「こちらこそ。」


「ちょっとあたしも入れて。」


そうやってやってくる愛。



ごめんね、結依、愛。


あたしは2人がいたからここまでこれた。



本当は一緒に全国に行きたい。


だけど、もう無理なんだ。



神様は許してくれないんだ。




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