そばにはいれないから。




「ね、あたしちゃんと笑えてた?」


車に乗った途端

苦しかったのが緩んで涙が溢れ出てきた。



「ああ、笑えてたよ。いい笑顔だった。」


そう答えてくれたのは、お父さんだった。



「なら、よかった。」


剣道という競技に出会えてよかった。

みんなと出会えてよかった。



ありがとう、あたしの剣道人生。

さよなら、あたしの青春。



本当に、幸せだった。



今まで当たり前だと思ってた事が、すごく幸せな事だったんだって

病気になって知ることができた。




あたしの人生、幸せで溢れてたんだ。



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