鴉と白骨は、寂しがり屋の魔女に恋をする
「魔法制御の問題は空澄が魔法に慣ればすぐに解決するが………その襲ってきた小学生というのがやっかいだな」
「私の血を舐めていたし、魔力が目的なのかな?」
「その可能性が高いだろうな。だが、小学生の魔女が襲ってくるのは、おかしいな。いくら魔力が欲しくてもまだ未熟で正式な魔女でもないのに、魔力を必要とするはずはないからな」
「じゃあ……どうして………」
希海は少し考えた後に、ハッとした表情をした。
「空澄、その小学生の男の子の容姿はどんな
感じだった?」
「んー……普通の男の子だったよ。小柄で黒髪で………あ、でも、何だか瞳が赤かったような気がするけど。そう言えば私が吹き飛ばしてしまった後は、赤くなくて普通の瞳の色に変わっていたかも」
「…………」
そう話しをすると、希海は目を大きく見開いた後に、優しい顔から一気に険しいものへと変わった。
空澄は何かまずい事を言ってしまったのかと
思い、心配しながら希海の顔を覗き込んだ。
「希海?………どうしたの?何かわかった事あった?」
「……………」
「希海?」
「あ、あぁ………悪い。考え事してた」
珍しく慌てた様子の彼を見て、空澄は少し違和感を覚えた。彼は何か知っているのではないか。そう思ったのだ。