鴉と白骨は、寂しがり屋の魔女に恋をする
「魔法にもいろいろある。もしかしたら、男の子に姿を変えて襲ったとか、何かの力で操っていた、というのもあるかもしれないな」
「………そっか。最後に会った男の子は、襲ってきた時と様子が違ったかもしれない」
「調べてみるが……そうなると、空澄が突然襲われる事がこれから起こってくるかもしれないから危険だな。空澄には防御系の魔法や、ちょっとした攻撃魔法を早めに教えておいた方がいいかもしれないな。お守りだけではダメそうだ」
「………そうだね」
攻撃魔法と聞いて、空澄は思わずドキッとしてしまった。誰かをまた攻撃しなきゃいけないのは怖い。けれど、自分が捕まったり、攻撃される危険があるのだ。初めて刃物を自分に向けられた恐怖は、思い出すだけでも恐ろしかった。そして、もちろん怪我をさせるのも。
だからこそ、必要最小限の被害で収まるようにしなければいけないのだ、と空澄は腕に巻かれた包帯の上から傷口に触れた。
「そう言えば、おまもりってどんなものだったの?」
「空澄の周辺で魔力を使ったら反応して、俺に音で知らせてくれる魔法だよ。だけど、今回は魔力で攻撃されたわけではなかったから、反応しなかったみたいだな。それも変えないといけないな」
希海はそう言って空澄の胸にある宇宙ガラスを見つめた。そして、ぶつぶつと何かをいいながらどんなおまもりにするかを考えているようだった。