鴉と白骨は、寂しがり屋の魔女に恋をする


 「起動も早くなったし、大分上達したな」
 「うん!飛ぶのは楽しいし、好きだから早く覚えちゃった」
 「座学の方も頑張って欲しいけどな」
 「………頑張ります」


 ニヤニヤと笑われながら希海にそう言われてしまう。勉強も嫌いではなかったが、魔法を使う方が合っているようだった。すると。希海は「尚美さんもそうだった」と笑ったのだった。


 「空澄、丘についたら少し話しがある」
 「…………うん。わかった」


 希海はいつも通りの口調でそう言ったけれど、空澄は気になって仕方がなかった。

 丘は歩くと40分以上もかかる場所にあったが、飛んで来てしまえば、10分もかからなかった。空澄と希海はゆっくりと草の上に降り立つと、丘の頂上にあるベンチに腰かけた。ここは、町の明かりがよく見える、いい景色の場所だった。だが、車では来れないので夜は人気がなかった。


 しばらく夜景を見つめた後、空澄はどうしても気になってしまい自分から彼に質問してしまう事にした。



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