鴉と白骨は、寂しがり屋の魔女に恋をする



 「鴉の海の時から、ずっと空澄と希海が羨ましかった。空澄と付き合う男が羨ましくて仕方がなかったよ。ずっと見守ってきたのは俺なのに、どうして俺は真っ黒な体の人間ではない存在なんだろうって………」
 「希海………」
 「鴉の方が他の魔女や魔王に対して監視しやすかったし、力は持っているから空澄を守る事は出来る。けど………」


 そこまで言うと希海は頭を撫でたり、頬に触れたり、手を絡めたりして空澄に触れた。希海の指はとても熱くなっている。彼も少しはドキドキしてくれているのだろうか。それがわかると、空澄は何だか嬉しくなってしまった。


 「こうやって触れる事も出来なかった。俺の手は鋭い爪があったし、鴉だったから。だから、俺はこうやって空澄の触れるのが嬉しいんだ………頭を撫でれば、手を繋ぎたくなるし、頬にも触れたくなる。そして……キスもしたくなる。魔力の譲渡も本当の目的だったし、必要な事だけど……」

 

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