鴉と白骨は、寂しがり屋の魔女に恋をする
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赤い髪の男は、空澄の家の結界を見つめながら舌打ちをした。
結界が更に強力なものになっているのだ。
その理由はまず使い魔の男の魔力が上がっている事だ。鴉から人間に戻ったばかりだというのに、この魔力の上がり方は異常なのだ。早すぎる。赤髪の男はすぐに空澄が魔力譲渡をしているのだと理解した。純血の魔女の魔力だ。あっという間に貯まっていくのも頷ける。
そして、純血の魔女が魔女の能力を高めいるのも理由の1つとして考えられる。まだまだ新人で力も弱いが、元の魔力が大きいのだ。有能な魔女になるのだろう。その証拠に空澄の魔力が格段に増えているのが感じられた。
「………今が狙い時だが。あの鴉が邪魔だな」
純血の魔女が1度狙われたのを知り、鴉は空澄から目を離さなくなったのだ。そのため、赤髪の男は空澄に近づく事が出来なかった。
「私も同じ考えです」
「っっ!!………誰だ………」
気配も魔力も感じられなかったはずだ。
だが、赤髪の男が居たビルの屋上に一人の真っ黒な男が闇夜に紛れて佇んでいたのだ。
赤髪の男は驚きながらも、彼の服装を見て納得をしてしまう。真っ黒な軍服に銀色の髪。魔女の世界では有名な男だった。無表情で冷淡な高位の魔王警察官として。
「魔女官が俺に何の用だ」
「緑川リアムさん。私と組みませんか?」
「………は?」
赤髪のリアムは小檜山の言葉が理解出来なかったのではない。彼が何を考えているのか全くわからなかったのだ。
「私はあの鴉に興味があります。私とあなたで鴉を鳥籠に閉じ込めませんか?」
その話しを聞いたリアム面白そうだと思い、すぐにニヤリと笑って「のった」と返事をしたのだった。