鴉と白骨は、寂しがり屋の魔女に恋をする



 空澄の両親が亡くなった後、璃真は希海に頼んで、地下の秘密室を開けて貰うことにしたのだ。そこで、作り物の魔女になる決意をしたのだ。


 「おまえ、何で魔法の勉強なんてしてんだ?」


 その頃、璃真と希海は年齢が近い事もありそれなりに仲良くなっていた。
 ある日、夜に地下室で調べものをしていると、希海がそう質問してきた。
 今まで疑問に思っていた事なのだろうが、希海はこの時に初めて言葉にしたのだ。魔法を勉強したい、と璃真が言った時もただ「そうか」と言っただけで、特に理由を聞くことはなかったのに、何故今ごろ?と思いつつも、きっと彼の気まぐれだろう。璃真はそんなに気にすることもなく、返事をした。希海に内緒にする必要はないと、本当の事を口にした。


 「たぶん、俺がもう少しで死ぬから?」
 「………は?おまえ何言ってんだ?」
 「昔から勘が鋭いって言ってるだろ。ただ、そう思うだけ。たぶん、20歳までは生きれない」
 「………防げないのかよ」


 普通なら「こいつおかしいのか?」と、言われるような事を言っているのに、希海はすぐに璃真の言葉を信じた。昔から璃真の力を間近で見てきたので、彼はすぐに理解したのだろう。
 璃真の言葉に嘘はないと。


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