鴉と白骨は、寂しがり屋の魔女に恋をする
そう言って、古びた本のある項目を指差して、希海は強い口調でそう言った。
そこには古い言葉で「魔人封印魔法」と書いてあった。魔人というのは、昔の言葉で魔女や魔王の事を言うとある本で説明されていたのを希海は覚えていた。という事は「魔女や魔王の封印魔法」が書かれているのだった。
ただパッとみた感じでは、かなり難易度が高い魔法だとわかるものだった。
「…………これは随分難しいね。作り物の僕には難しいかな」
「やるんだ」
「…………どうしたんだ、急に………」
「おまえが死ぬって言うからだろ。俺は空澄から離れられないし。だから、自分のことは自分で守れ。魔女が原因ならそれを発動して魔女を封印してしまえばいいさ」
「だから、僕に魔力が……」
「俺の魔力をガラスに保管しておく。それを持ち歩け」
真剣な表情で、璃真を見つめる彼の光る黒い瞳。まるで星空のようだと璃真は思っていた。その綺麗な夜空の瞳が、鋭く尖っている。彼は怒っているようだった。