鴉と白骨は、寂しがり屋の魔女に恋をする



 「なんだ………その魔法は………ガラスに魔法を封印していたのか?それにしても、このタイミングで発生するのは………何故だ」


 混乱している小檜山は、ブツブツと考察しながら光りを見つめていた。そのうちにも氷を溶かしつづけ、空澄を乗せていた氷の台もぐらりと揺れ始めた。


 空澄は慌ててそこから飛び出しながら、宇宙ガラスを見つめる。


 「璃真………あなたがやってくれたの?」


 彼が何かを準備してくれていたのかもしれない。そう思うと全てが納得がいく。
 これを空澄にプレゼントしてくれた理由。それは、今まさにこの瞬間のためだったのではないか。そんな風に思ってしまう。


 「………希海っ!!」


 地面にようやく降りると、倒れている希海を見つける。顔色が悪くとても苦しそうにしていたが、それでもガラスが光っているのをみて驚いている様子だった。



 「………そのガラスの魔法は………?」
 「わからないの。もしかして、璃真かな……」
 「なるほどな……だから、俺の魔法がうまく発動しなかったのか……」


 そう言いながらガラスに手を伸ばすが、希海はドサッと体が地面に落ちてしまう。空澄は慌てて彼の体をささえる。


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