鴉と白骨は、寂しがり屋の魔女に恋をする
ピシャリと冷たく言い放たれて、空澄は悲しい気持ちになってしまう。唯一の家族が死んでしまったかもしれないのだ。それで動揺してしまうのは仕方がないではないか。そう思いつつも、自分がしっかりしなければと考えた。ここで璃真ではないと別ればいいのだ。
空澄は歯を食い縛り、思いきり両手を握りしめて、目の前の銀髪の男を見つめ直した。
「遺体を見せてください。私、確認したいです」
「………わかりました」
小檜山は少し驚いた表情を見せた後に、目を細めて空澄を見た。それは笑ったようにも見えたが、すぐに前を向いてしまったので、彼の表情を確かめることは出来なかった。
「それではこちらになります」
彼が案内したのは安置所と書かれた部屋だった。ドラマのように簡易的な別途が置かれ、その上には白い布がひかれていた。
そけれど、それを見てすぐに空澄は違和感を覚えた。人一人の体があるはずなのに、厚みを感じられないのだ。