鴉と白骨は、寂しがり屋の魔女に恋をする
12話「新米魔女」
12話「新米魔女」
☆☆☆
希海と契約を結んだ次の日。
朝御飯を食べた後に、魔女としての基礎練習をスタートすることになった。
「昼食から俺が作るよ」
「………なんで?………おいしくなかった?」
「そうじゃなくて………おいしいけど、おまえいつか怪我するんじゃないかってハラハラしたから。料理は好きだからやらせてくれ」
「……………わかった。でも、時々手伝わせてね」
「…………おまえ、細かい作業苦手なんだな」
「料理以外は結構得意なんだけどなぁー………」
昨日は、夕飯まで希海に作ってもらったため、朝御飯は作ろうと張り切って早く起きた。
けれど、空澄がキッチンに向かうとすでに彼はそこに立っていた。そのため2人で料理をしてのだが、空澄の危なっかしい包丁捌きを見て、希海はオロオロとしていたようだった。確かに璃真にも同じような事を言われていたので、さすがにショックだったけれど料理自体は「おいしい」と言って貰えたので、空澄は少しは満足していた。だが、男2人には負けてしまうのは悔しいので、内心では料理の腕前を上げる事を誓った。