鴉と白骨は、寂しがり屋の魔女に恋をする
璃真がいなくなってから2日目の朝。
やはり、彼がこの家に帰ってくる事はなかった。朝も璃真の部屋を見たけれど、彼の姿はない。少しずつ「死んでしまった」という現実を感じ始めていた。けれど、検査の結果が出るまでは判断しないと空澄は心に決めていた。
この家に、どんな姿であっても璃真が戻ってきてから悲しもうと決心したのだ。
彼がいなくなってから孤独を感じたのは数時間だった。璃真がいなくなってから、この家にはもう1人が家族が住むようになったからだ。それら鴉の呪いをかけられていた希海だ。
「布団ではよく寝れた?」
「あぁ……久しぶりに布団で寝たから嬉しかったよ」
「いつもはどこで寝ていたの?」
「鴉の時は外だったし、後は………ソファとか?」
「………ベット買わないとね」
「いいよ。布団で」
希海には昨夜は両親の部屋で寝てもらった。
2人の荷物はほとんど片付けられていたので、本棚ぐらいしか部屋にはなかった。クローゼットには服などはまだ残っていたけれど、室内は殺風景だった。2人で一戸建ての家に住んでいたのだ空き部屋は多い。そのに布団だけをとりあえず移動して、希海の部屋にしたのだった。
そんな会話をしながらリビングを出た。希海が案内したい所があると言ってきたのだ。
空澄は、彼は両親の店に案内してくれるのだと思っていたけれど、玄関とは逆の方向へと歩いて行った。