鴉と白骨は、寂しがり屋の魔女に恋をする



 さっそく、2人は勉強をスタートする事にした。希海は大量にある本の中から、数冊選ぶと、それを小さなテーブルに置き、ソファに座った。彼の隣に腰をおろし、彼の持っている本を見た。


 「まずは、文字を覚える事だな。あと発音も。そうじゃないと本を読むことも呪文を唱える事も出来ない」
 「なるほど………」
 「魔女が使っている言葉や文字は、1つ1つに魔力が込められていると言われてる。それに実際呪文を使うだけで、魔力は消費しているから注意だな。不必要に使えばその分魔力は損なわれる」
 「でも、寝れば復活するでしよ?」
 「まぁ、大体はそうだけど戦ったり人を助けたりする、いざって時に使えないと困るだろ。だから、無駄遣いは避けるべきだ。それに、魔力は結局は自然物の力を借りることが多いからな。ありがく使うべきだな」


 そう話しをする彼の横顔はとても真剣だった。魔女の力を使う時はきっと彼のように真剣に取り組まないといけないのだろうと空澄は思った。

 普通の人には使えない、特別な力。
 それを使える人は、使い方をしっかりと考えなくてはならない。そんな風に彼は言いたいのだろうと思った。


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