鴉と白骨は、寂しがり屋の魔女に恋をする



 「………空澄は我慢してないか?あんな急な事があったのに、しっかりしすぎてないか心配になる」
 「…………そんな事ないよ……とっても落ち込んでる。……けど、確かに必死に普通通りにしようって思っているかもしれない」


 普段通りに過ごさないと泣いてばかりで、壊れてしまう。そんな気がしていたのだ。それを知らないうちに、自分でコントロールしていたのだろう。
 それに、あの白骨が璃真のものではないと思いたいのだ。
 だからこそ、今はまだ泣けないのかもしれない。


 「璃真が本当に死んでしまったってわかったら………また、泣いちゃうかもしれないな。私、泣き虫だから」
 「知ってる」
 「え………」
 「友達に自分の気持ちを伝えたくても上手く伝わらなくて、昼休みに屋上でこっそり泣いてたのも。恋人に酷いこと言われても我慢して帰り道で一人で泣いたり。璃真が事故に遭って入院した時も寂しくて泣いてた」
 「ど、どうして………」



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