鴉と白骨は、寂しがり屋の魔女に恋をする
「死亡推定時期は大体ですが10年前です。状態が非常に良い事から、どこかに保管されていたと考えられます。そして、あの公園に置かれた。犯人の目星は全くついておりませんので、今後捜査していきます。また、ご遺体は白骨のまま発見されたのでそのままお返しする事にしますが、葬儀会社に連絡をしてお引き取りをお願いします。また、新堂さんの死亡届けについてですが………」
淡々と話しを進める小檜山の声。
それを聞いているようで、空澄はただその言葉を浴びているように何も考えられなかった。
ただ突きつけられた「璃真が死んだ」という現実を受け止めようと必死だった。
けれど、体が震えて寒さを感じ、空澄は俯いた。
そんな様子を見て、小檜山は1度言葉を止めたが、希海が「はい。わかりました。手続きは………」と、返事をした事で小檜山は話す対象を空澄から希海へと変えた。
その後、2人で何かを話した後、2人はほぼ同時に立ち上がった。
それを見て、空澄もフラフラと立ち上がり、希海の隣を歩いた。前を歩く小檜山のヒールの音が廊下に響く。その音とヒールが動くのをボーッとしながら見つめていた。