鴉と白骨は、寂しがり屋の魔女に恋をする
始めに向かったのは警察署。
魔女対策部に向かうと、デスクで仕事をしていた小檜山が空澄を見つけると、カツカツと歩いてきた。いつもは髪を纏めていたが、今日は下ろしており、いつもとは違った中性的な雰囲気があった。
「こんにちは。魔女登録をご希望ですか」
「はい。前回、準備していただいていたのに、すみませんでした」
「いえ、かまいません。それでは、いつもの部屋で行いましょう」
そう言って、小檜山は前回話をした応接室へと案内してくれた。
あまりいい思い出がないこの場所だったけれど、文句を言えるはずもない。
空澄は、前と同じソファに座り、その前に小檜山も座った。
「それでは、こちらが魔女登録の規約になります。簡単なルールです。魔女の力を使って罪になるような犯罪行為はしないこと。そして、何かの災害や事件があった場合は、警察などよ指示に従い人命救助や手助けをお願いする場合があるという事が書かれています。」
小檜山が話した通り、難しい言葉でそのような事が書かれているのがわかった。犯罪行為をしないのは当たり前の事だったし、災害や事件などがあった時の手助けは、力があるものに頼られるのは当たり前だと思っていた。
それに、この魔女登録は両親も希海も行っているのだ。迷う必要などなかった。