鴉と白骨は、寂しがり屋の魔女に恋をする
「はぁー………。ダメだなぁー」
空澄はため息をつきながら、貰った花やプレゼントが入っていた紙袋を見つめた。やはり、自分は魔女が似合わない、平凡なOLのままの方がよかったのかもしれない。そんな弱気な言葉が頭をよぎった。
けれど、それを無理矢理忘れようと、空澄はゆっくりと歩き始めた。
璃真の会社に行く時間もあったけれど、貰った花束などを持っていくのもおかしいと思い、その日はそのまま帰宅することにした。
運動不足でもあったので、空澄は電車は使わずに少し歩いて帰く事に決めた。一人になって何かを考えるのには調度いいとも考えたのだ。
けれど、数分歩き街中から少し離れた住宅街に着いた頃。ほとんど何も考える事も出来ないまま、その時間は終わりを迎えた。
向かい側からランドセルを背負った小さな男の子が駆けてきた。学校が終わり、家に帰るのだろうか。そんな事しか考えずに、空澄はその小学生とすれ違った。
が、その瞬間腕に痛みを感じた。